中井・丸岡医院の歴史と、医師としての歩み
History and Progress

01
和歌山県西牟婁郡上富田で医院を続けてこられた歴史について教えてください
interview 01
中井・丸岡医院を開設して約60年、このたび3代目として診療を引き継ぐことになりました。祖父、父と続いてきた地域医療の伝統を大切にしながら、内科・消化器外科の専門性を活かした診療をご提供してまいります。2026年4月からは内視鏡検査も開始し、より充実した医療サービスをご用意いたします。「この病院に来てよかった」と思っていただける診療を目指し、スタッフ一同、皆様の健康を全力でサポートいたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

02
先生は地元のご出身ですか?
interview 02
生まれは大阪です。父親は当院の2代目ですが、「中井・丸岡医院」という名前の通り、丸岡が父の姓で、中井は母の旧姓です。父が大阪で勤務していたため、私は小学校2年生まで大阪で過ごしました。その後、父が病院を引き継ぐことになり、医院の名前も中井・丸岡医院に変わって、家族で和歌山に引っ越してきました。

03
医師を目指そうと思ったきっかけを教えてください
interview 03
平成初期という時代性もあったと思いますが、幼児期に祖父が診察しているところを見学させていただく機会がありました。その際に「しょうらい、ぼくもおいしゃさんになってここ(現在の医院)ではたらく!」と子供心に思った記憶があります。今から思えば、この時に私の医師になるという道が、天より与えられたのだと思います。ですから、父の尽力もあり今日まで当院が存続し、私にバトンが回ってきたことはとても感慨深いのです。

04
内科・外科を診るために何かされたことはありますか?
interview 04
医学部卒業後、さまざまな診療科で研修を積みました。その過程で、自分は手技を活かせる分野が向いていると感じるようになりました。特に消化器外科は、食道から胃、十二指腸、小腸、大腸・肛門といった消化管全体と、肝臓や膵臓などの臓器を幅広く扱う専門性があります。そこで母校の消化器外科に入局し、専門的な知識と技術を磨くことにしたのです。将来的に家業を継ぐことを考えていたため、外科医として胃カメラや大腸カメラの検査技術を習得できたことは、とても重要な経験となりました。しかし現在の医療は専門分化が進んでおり、外科の知識だけでは地域のクリニックとして患者さまのニーズに十分応えられないのではないかと感じるようになりました。そこで、内科医としても中核病院で経験を積み、総合的な診療ができるよう研鑽を重ねてきました。これらの経験が今、地域医療に携わる上での大きな財産になっています。

05
外科から内科の経験を積まれたのは、
地域医療のためなのですね
interview 05
そうなのです。患者さまのニーズにお応えできる医師として地域に貢献したいという考えからです。
診療への想い
philosophy

06
患者さまとの関わりで大切にしていることは?
interview 06
「患者さまのニーズに対して、ご提供する医療がマッチしているか」ということを常に心がけています。例えば、採血が嫌いな患者さまがいらっしゃいますが、そのような方に検査を提案させていただく場合も、検査でわかるかもしれないこと(利益)や、検査を受けないことで発見できない病気があるかもしれないこと(不利益)について説明をさせていただくといったような取り組みが必要だと思います。検査が必要なときは、たとえ採血嫌いでも検査の必要性をご理解いただいた上で受けていただきたいのです。病状の説明には、ついつい専門用語を用いてしまうことがありますので、できるだけわかりやすい言葉で説明したり、その言葉の意味もお伝えしたりすることが必要だと考えています。

07
患者さまへのカウンセリングの際に心がけていることはありますか?
interview 07
時間の許す範囲ではありますが、可能な限りお話しを傾聴することを心がけています。患者さまの、言葉になりにくいおもてにでてこない訴えまで汲みとるように努力しています。また、こちらから質問するときもできるだけオープンな質問を心がけています。患者さまが何でも言いやすい、相談しやすい関係性を日頃から作っていくこと大切だと考えています。

08
胃カメラや大腸カメラなど、検査を嫌がる患者さまも多いと思います
interview 08
いらっしゃいますね。便潜血検査で陽性が出た場合は必ず大腸カメラを受けていただく必要があります。こういった点は譲れないのですが、便秘の方など、大きな腫瘍の可能性が考えられる場合には、検査の必要性をしっかり説明し、患者さまに理解していただくことが重要です。検査を受けていただけるかどうかというところは、医師としての大切な役割だと考えています。
消化器外科医としての経験を活かした診療
make use of experience

09
消化器外科専門医として活かせるところはどのようなところですか?
interview 09
外科医としての経験を活かして、手術が必要かどうかの見極めや、手術を受ける場合・受けない場合のメリット・デメリットについてくわしくご説明できます。実際の手術の決断は患者さまと専門医との間でおこなわれますが、かかりつけ医として相談に乗り、患者さまの意思決定をサポートすることができます。

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外科出身の先生の強みなのでしょうね
interview 10
そうですね。進行した病気が見つかった場合、どのような治療が必要になるかというところまでくわしく調べてご説明できるのが、外科出身の強みだと思います。

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先生の治療のこだわりはありますか?
interview 11
やはり外科医だった経験から、お腹の触診には自信があります。解剖学的な知識を活かして、例えば胆のう炎や虫垂炎、腸の問題など、どこが痛いかをしっかり診て診断していきます。
当院の強みについて
strength

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中井・丸岡医院の強みについて先生のお考えをお聞かせください
interview 12
変わらない当院の強みは、長年にわたり地域の皆さまと信頼関係を築いてきたスタッフが、私の代になっても引き続き勤務してくれることです。ひとりの医師にできることには限りがありますが、スタッフ全員の力を合わせることで、より良い医療をご提供できると考えています。医師としての強みや、当院の良さというのは、私たちが決めるものではなく、患者さまが実際に診療を受けて感じていただくものだと勤務医時代から考えてきました。「良い医師」「良い病院」を決めるのは、あくまで患者さまご自身だと考えます。強みというものは、患者さまが見出してくださるものだと思います。やってみないと分からないところもありますが、患者さまのニーズに合わせて強みを変えていく必要はあると思っています。
クリニックの新たな一歩がはじまる
new step

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これからです。2025年10月から父と一緒に診療を始め、半年間一緒に働いた後、2026年4月から本格的に始動する予定です。内視鏡検査も2026年4月からスタートします。
interview 13
先生はいつから医院を継がれるのですか?

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診療内容が変わるとのことですが…
interview 14
そうなのです。父は整形外科・リウマチ科を専門にしていましたが、私は消化器を中心とした内科・外科になります。そのため患者さまの層も変わってくると思います。現在来院されている患者さまは大切にしたいのですが、診療科が大きく変わることで、これまでのニーズに応えられるかという課題もあります。

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クリニックづくりにこだわっていきたいところを教えてください
interview 15
患者さまが院内に滞在中、少しでも快適に過ごしていただけるようさまざまなアップデートを進めてまいります。
- これまで当院は土足禁止でしたが、土足可となりました。ご来院の際にスリッパへの履き替えは必要なくなります。
- 診察室を1部屋増やし、診療効率を改善することで待ち時間の短縮を図っています。採血検査や心電図などの検査業務も処置室に可能な限り集約し、よりスムーズな診療提供を目指しています。
- 内視鏡検査については、鎮静を希望された患者さまは検査終了後もそのまま検査台に横になったまま移動していただけます。そのまま回復室でお休みいただける運用をおこない、患者さまの負担軽減を図っています。
何より大切なのは、患者さまに「この病院を選んでよかった」と思っていただけるような体験の提供です。そのためにスタッフ一同、日々業務改善に努めています。
三代続く医院の未来に向けての想い
towards the future

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お祖父様とお父様の尊敬できるところはどこですか?
interview 16
祖父は昭和の時代の医師でしたから、今とは違う面がありました。当時は医師と患者さまの関係も、今のような双方向のコミュニケーションではなく、医師が言ったことをみなさん素直に聞いてくださる時代でした。子供の頃に見ていて「お医者さんってすごいのだな」と感じたのを覚えています。父親は本当に献身的に地域医療に貢献していました。夜間の往診や呼び出しにも対応していた時期があり、その姿勢には尊敬しています。私は内視鏡検査もするので、同じようにはなかなか難しいかもしれませんが、父のような地域への貢献を大切にしていきたいと思います。

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今後の展望を教えてください
interview 17
診療科が大きく変わりますので、まずは当院を必要としてくださる患者さまに来ていただき、継続して通っていただくことが大切だと考えています。現在、当院では採血検査などを院内で実施しておりませんが、この地域では検査の外注環境が変化しています。以前は田辺市内のラボで検査をおこなっていたものが、現在は京都のラボまで送って夜間に解析し、朝にファックスで結果が届くという流れになっています。当院の新たな取り組みとして、院内で血液検査や生化学検査ができる設備を整えることを検討しています。緊急性のある検査結果をすぐに得ることができ、必要に応じて大きな病院への紹介もスムーズにおこなえるようになります。
患者さまへのメッセージ
message

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最後に、このHPをご覧の患者さまへ一言メッセージをお願いします
interview 18
当院のホームページにお立ち寄りいただき誠にありがとうございます。このホームページを見ておられるということは、あなたは現在、健康に何らかの問題を抱えておられるのではないですか?どんなお悩みでも、症状でも構いませんので、当院へ受診いただきご相談していただければと思います。また、当ホームページは今後も、皆様の健康の一助となる情報の発信に勤めてまいりますので、何卒よろしくお願いします。


