消化器専門医が語る内視鏡検査の重要性
Importance of endoscopy
消化器疾患の専門医として長年の経験を持つ丸岡先生が、新たに開始する内視鏡検査についてお話しいただきました。外科医の視点から見る内視鏡検査の重要性や、患者さまに寄り添った診療への思いをご紹介します。
内視鏡検査の開始について
About starting

01
先生は消化器外科をご専門とされているそうですが、クリニックでの内視鏡検査は
いつから始まるのでしょうか?
interview 01
内視鏡検査は2026年4月から始めます。私は和歌山県立医科大学の消化器外科出身で、外科医として経験を積んできました。父は整形外科・リウマチ科だったので、診療科が大きく変わることになります。

02
クリニックでの内視鏡検査の役割を
どのようにお考えですか?
interview 02
クリニックの役割としては「病気の発見」が重点をおくものだと考えます。消化器外科を専門としていますので、内視鏡検査にしっかり力を入れて病気を見つけていきたいと考えています。大きな病気が見つかった時には、最終的な治療方針の決定は大きな病院の主治医と患者さまとの間でおこなわれますが、そこに至るまでのアドバイスや「先生にこう言われたけど、どう思いますか?」といった質問にはしっかりとお答えすることができると思います。

03
消化器外科医としての経験が内視鏡検査にも
活かされるのでしょうか?
interview 03
内視鏡検査自体はかなり確立された検査方法なので、外科系・内科系に関わらず見るべきところは同じです。ただ、進行した病気が見つかった場合に、どういう治療が必要になるかというところまでくわしく調べてご説明できるのが、外科出身の強みだと思います。

04
内視鏡検査が必要かどうか、
どのように判断されるのでしょうか?
interview 04
消化器外科専門医の経験を活かして、まずはお腹の触診から始めます。解剖学的な知識を生かして、胆のう炎や虫垂炎、腸の問題などを診察し、できるだけその場で初期判断ができるよう心がけています。症状や触診の結果から内視鏡検査が必要と考えられる場合は、患者さまにその理由と重要性をしっかり説明します。特に便潜血検査で陽性が出た場合や、胃の不快感が長く続いている場合は、内視鏡検査をお勧めしています。補助的な検査としてエコー検査も活用しています。胆のう炎などはエコーで診断できますが、消化管はガスの影響で見えにくいこともあり、そうした場合に内視鏡検査の必要性が高まります。エコー検査と内視鏡検査を組み合わせ、必要に応じて大きな病院に紹介する体制を整えています。
内視鏡検査への取り組み
attempt

05
内視鏡検査で今後注力されるところはありますか?
interview 05
消化器疾患の診療において内視鏡検査は「肝」となる部分だと考えていますので、内視鏡関連の設備や体制づくりにはしっかり力を入れていく予定です。他の医院様でも内視鏡検査をおこなっているところはありますが、AIの導入も検討しています。これにより安全性と確実性を向上させたいと考えています。また、クリニックの建物自体は変えませんが、リフォームをおこない、内視鏡検査後の患者ささまの負担を減らす工夫を進めています。例えば、検査後は眠気がありますので、検査台に横になったまま移動していただき、ベッドごとリカバリー室に運んで休んでいただけるような運用を計画しています。2026年4月の内視鏡検査開始までに、これらの準備を整えてまいります。
患者さまの不安と向き合う
Dealing with anxiety

06
内視鏡検査は患者さまにとって
不安や抵抗感が強い検査ですね
interview 06
そうですね。便潜血検査で陽性が出た場合は絶対に大腸カメラを受けていただく必要がありますが、どうしても検査に抵抗がある方もいらっしゃいます。便秘の方などで大きな腫瘍が疑われる場合には、検査の必要性をしっかり説明して、受けていただけるよう努めています。これは医師としての腕の見せどころだと思います。検査は誰でも受けたくないものですよね。しかし、患者さまの意向を確認せずに過剰な検査をすると、「希望していない検査をたくさんされた」という印象を与えかねません。ですから、患者さまの意思を確認しながら進めることが大切だと考えています。

07
患者さまのニーズに合わせた対応が
大切ということですね
interview 07
患者さまのニーズを汲み取ることが重要です。どこまで検査したいかは人によって違います。必要な検査は受けていただく必要がありますが、検査をどこまでおこなうかは患者さまと相談しながら決めていきます。手術の場合は患者さまの同意が絶対に必要ですが、それは内視鏡検査や採血検査でも同じです。こうした相互的なコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。
検査を受ける際の注意点
important point

08
内視鏡検査を受ける際の
交通手段について教えてください
interview 08
当院の最寄りは朝来駅というJRの駅で、地域のバスもありますので、公共交通機関をご利用いただくことは可能です。ただ、高齢の方で移動が困難な場合は、ご家族に送迎をお願いすることが多いです。検査後は運転を控えていただく必要がありますので、ご家族のサポートが重要になることもあります。
患者さまへのアドバイス
advice

09
このような症状はどのような段階で
相談しておくとよいですか?
interview 09
外科医としての経験を活かして、手術が必要かどうかの見極めや、手術を受ける場合・受けない場合のメリット・デメリットについてくわしくご説明できます。実際の手術の決断は患者さまと専門医との間でおこなわれますが、かかりつけ医として相談に乗り、患者さまの意思決定をサポートすることができます。
- 胃が痛い、胃もたれがする、食後の不快感がある1週間程度で改善しない場合や、市販の胃薬で症状が改善しないとき
- 便の色が赤い・黒いすぐに受診しましょう
- 排便回数が1週間に3回未満市販の便秘薬などで改善しない場合は早めに受診しましょう
- いぼ痔や切れ痔があり痛みなどの症状がある場合我慢しないで、症状がさらにひどくなる前に早めに受診しましょう
- 胸焼けや口の中が酸っぱくなる症状がある場合お早めに受診しましょう
- 食欲が低下した消耗し体力の低下が始まる前に、早めに受診しましょう
- 症状ではないが便潜血検査で1回でも陽性大腸カメラを必ず受けましょう
患者さまへのメッセージ
message

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内視鏡検査を検討されている方へ
メッセージをお願いします
interview 10
消化器の疾患は早期発見が何より大切です。内視鏡検査は不安を感じる方も多いですが、消化器疾患の早期発見には欠かせない検査です。当院では患者さまのご負担を軽減できるよう、検査環境の整備に力を入れています。症状が気になる場合や便潜血検査で陽性が出た場合は、ぜひ検査を受けていただきたいと思います。患者さまの意思を最大限に尊重しながら、必要な検査をご提案させていただきます。どんな小さな症状でも、お気軽にご相談ください。


