メタボリックシンドロームとは
メタボって何？内臓脂肪がカギです
メタボリックシンドローム（Metabolic Syndrome）は「内臓脂肪症候群」とも呼ばれ、内臓脂肪型肥満を基盤に、高血圧・高血糖・脂質異常のいずれかを2つ以上合併した状態を指します。運動不足や食べ過ぎなど、生活習慣の積み重ねが主な原因で、自覚症状がないまま動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった重篤な病気へとつながる危険があります。
メタボリックシンドロームの診断基準
次の条件を満たすと、メタボリックシンドロームに該当します。
| 必須項目 | |
| 腹囲 | 男性85cm以上／女性90cm以上 |
| 以下のうち2つ以上を満たす | |
| 中性脂肪 | 150mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
| 血圧 | 収縮期130mmHg以上または拡張期85mmHg以上 |
| 空腹時血糖 | 110mg/dL以上 |
※これらはすべて生活習慣病の予兆でもあり、早期の対応が重要です。
検査値の見方とリスク
中性脂肪
過剰に蓄積されると肥満症や脂肪肝のリスクに
HDLコレステロール（善玉）
低いと動脈硬化が進行しやすくなる
血糖値
高い状態が続くと糖尿病の発症リスクが高まる
特定健診（メタボ検診）での判定
40歳以上を対象に、2008年から「特定健診・保健指導」がスタートしました。内臓脂肪の蓄積状況と合わせて、喫煙習慣やBMI（肥満度）などもチェックされ、「動機づけ支援」「積極的支援」などの保健指導がおこなわれます。
BMIの計算方法
BMI＝体重(kg) ÷〔身長(m) × 身長(m)〕
BMIの評価目安
| 18.5未満 | 低体重 |
| 18.5〜24.9 | 標準 |
| 25〜29.9 | 肥満（1度） |
| 30以上 | 肥満（2度以上） |
メタボの放置がもたらす疾患リスク
内臓脂肪の蓄積は、インスリンの効きを悪くし、血糖や血圧、脂質のバランスを崩す原因になります。
このような疾患リスクが高まります
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症（高コレステロール・高中性脂肪）
- 動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞
- 慢性腎臓病（CKD）
特に複数の生活習慣病を併発すると、心血管疾患の発症リスクは飛躍的に高まります。
メタボリックシンドロームの予防と改善法
生活習慣の見直しが、メタボの予防・改善のカギです。
食事の工夫
- 脂っこいものや糖分の多いものを控える
- 食物繊維や野菜をしっかり摂る
- 適正カロリーを守る（標準体重×身体活動レベル）
運動習慣
- 有酸素運動（ウォーキング・自転車・水中運動など）を週150分以上
- 筋力トレーニングも取り入れて基礎代謝アップ
- 「息が上がらず会話できる程度」が継続の目安です
その他の生活改善
- 禁煙と節酒
- 十分な睡眠とストレスのコントロール
- 定期的な健診で早期発見を心がける
食事や運動、生活習慣を見直してメタボリックシンドロームを予防・改善しましょう
メタボリックシンドロームは“サイレントリスク”とも言われるように、症状が出にくく、知らないうちに重い病気へと進行してしまうことがあります。ですが、食事や運動、生活習慣を見直すことで予防・改善が可能です。中井・丸岡医院では、内臓脂肪型肥満や関連する生活習慣病に対し、個別に寄り添った検査・指導・治療をおこなっています。メタボリックシンドロームが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。